【しってた？次のオリンピック、東京だって】

 

25年前に突然いなくなった父親が緊急手術を受けるという。姉妹たちは、それぞれ囲碁盤をもって病院にやってくる。緒方家にはなぜか兄弟全員分の囲碁盤があるのだ。その謎も、父親がいなくなった理由も分からないままだ。そんな時、携帯の呼び出し音。長女が看護師から「何かあったら連絡する」と渡されたものだと言うが……。

 

 

  • ポツリと座り何かを思い出す男
  • 気づくと一人の女が
  • 気づくとさらに一人の女が
  • 女たちは男の姉たちだった　ん？なんだこれは？
  • 囲碁盤？碁石？
  • 「なんかこうしてると姉弟みたい」「姉弟だろ」
  • 気づくとまたさらに一人の女
  • 女は男の妹だった　
  • そしてなぜかまたしても囲碁盤
  • またまた気づくと一人の女　
  • 当然のように女は妹　また当然のようにあの荷物は？囲碁盤
  • なにやら目くばせをする姉妹　「ちょっとあっちで……」
  • 行方不明だった父親が手術しているという……　　ん？携帯電話？
  • 並びに並んだ囲碁盤たち
  • 電話が鳴る！出る！「もしもし」「……！もしもし……」
  • なにやら相談する姉妹　
  • 「今、親父から電話が……」「えっ！そんなわけないでしょ」「いや、でも……」
  • 「これは霊界とをつなぐ電話なのよ！」「まさか、じゃあ親父……。いや、でも……」
  • 「ユー〇ャンで医療事務の資格取った時、聞いたことがある」
  • 「そ、そんなこと信じるわけ……。ちょっと俺……」「トイレ？」「ち、違うよ」
  • 「絶対トイレ行ったわね」「昔からそう」「うん。過敏性腸症候群」
  • 女たちの話を聞いてしまった男
  • 「大丈夫。絶対気づいてないから」「気づいてるに決まってるだろ」「嘘！」
  • 長女が言う「あのね……」
  • 姉妹たちは、父親が蒸発した時と同じ年齢になった男の苦悩に気づいていた
  • 「もしかして、同じように蒸発しちゃうつもりかも……」「そんなわけないだろ」
  • 「ねえ、みんなで囲碁やってみようか」「やり方知らない」「五目並べでいいよ」
  • 「お父ちゃんに何か言いたいことある？」「……。一つだけ……。バカ、お父ちゃんのバカ」
  • 「うん、そうね。うんうん……」
  • さっきの電話はどことなく父親の声に似ていた長女の夫からだった
  • 親父に言いたいことねえ　「知ってた？次のオリンピック、東京だって」